[VideoGame] 返校 Detention

 


Red Candle Game(赤燭遊戲) - 返校 Detention

忘れたい過去や後悔を思い出す。想像せずにはいられない未来を探る。60年代の台湾であったかもしれない物語。

ゲームという媒体特性上、ホラーという体裁をとっているが、それだけでは不十分なほどメッセージに富んだ作品である。より理解していくために二・二八事件からつづく中国国民党政権による長期的な白色テロなど戒厳令下での台湾の歴史を知っておくといいだろう。

10代の頃を思い出して欲しい。率直な疑問や思い通りに行かない事実が複雑に絡まり、整理がつかないまま決断した過ちは多かれ少なかれ誰でも経験することではないだろうか。 学校と家庭での人間関係。いくら大人がそれらを小世界と呼ぼうと、ティーンエイジャーにとってはそれらが全てである。社会への疑問と怒りを抱えるファン・レイシンは1つの出来事からほころび始める関係性に葛藤することになる。そして1つの過ちに辿り着いてしまった。忘れたいことや後悔に向き合い自分を取り戻すために異空間に飲まれた学校の中を探索していく。


本作で一番印象に残っている核心に触れるシーンでの会話。

 「人にはみな自由に生きる権利があるはずだ。禁忌や恐怖に縛られず、本音で考え、話しあう… 信仰の自由、愛する自由、自己実現の自由。」

アンネの​日記やサラエボのロミオとジュリエット、チュニジアのジャスミン革命など。戦争や内紛、時代や社会に翻弄されるのはいつも民衆である。受け入れがたい事実ではあるが悲しみや痛みを連鎖させる。これはそれら文脈の則った自由を求めた反戦と平和の物語である。

 

______ note______

[Requirements] Steam/ PC: Ryzen7 3700X, GeForce RTX3060

[Playtime]: 5H

[Link] Steam Page