Toshi Ichiyanagi / Michael Ranta / Takehisa Kosugi - Improvisation Sep.1975
”この演奏を聴くと、音楽はまだまだ開拓可能な領土をもっていて、現代音楽が袋小路に入り込んだ、などという世迷言にすぎないことがわかる。
即興演奏のもつ活力と生命感は、一柳、ランタ、小杉の音によって、一段と広さと厚さと深さを加え、いわゆる栄養失調的な現代音楽ではなく、現代の音楽がわれわれのものとして大きく体動している。”
-鍵谷幸信, 販促フライヤーより。
「音楽とは?」と作品のライナーノーツで企画者である上浪渡がこの日の記録について問いかける。そしてその中で「時には楽譜の存在が演奏の意味を失わせることもある。」という。
五線譜に囚われたそれまでと、五線譜から脱したこれからについて語る。文章の冒頭ではマイクのポジショニングや演奏の進行、音出しでのやりとりなど生々しい会話が描写される。即興演奏ならではの出発点であり、この作品を読み解く上でとても大事なシーンでもある。
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[Label] Iskra Records / ISKRA-002