Infinite Fall - Night in the Woods
「俺のことを知らない場所に行きたいよ。」
-映画 Stand By Me クリス・チェンバースのセリフより。
夜の森の中でクリスはゴーディに言った。キャッスルロックから出たクリスは後に進学をし弁護士になった。しかし人生は"持ち前の頑張り精神"だけでどうにかなったりするような都合のいいものじゃない。
アメリカの片田舎の炭鉱で栄えた小さな町、ポッサムスプリング。炭鉱は閉山し、国道が逸れた場所にできたことにより街へ立ち寄る人が減り、経済成長から取り残され、ゆっくりと着実に死にゆく町。
この場所にない何かを求め都会への進学をメイ・ボロウスキが大学を中退してそんな故郷に戻るところから物語は始まる。
大学に行きたくとも家庭の事情で行けなかった友達や、やることが見つからずフリーターとして悪ぶる友達でさえ、どこかこの町を捨てて都会に行き、現実に向き合わず毎日フラフラして、むちゃくちゃな行動をしているメイへのわだかまりが明らかになっていく。 それと同時にメイが抱いていた精神の問題も次第にわかっていく。
「いくら私たちが頑張ったって、宇宙は難易度を下げてくれない」
-メイ・ボロウスキの台詞より
サブプライムローンのような融資で住宅が担保に入れられてしまった実家、失業によりモールでの勤務を余儀なくされた父親、ホームレスを廃絶するような町内会、どんどん潰れては生まれ変わる店...。
物語の最後までポッサムスプリングが孕む根本の問題は解決はしない。しかし人々は弱さを認め、弱さと生きていくことで自分を許し、他者を認められる寛容さが生まれていく。
本作の描写や設定がリアルなものとは言わないが、なかなか見えてこない心の弱さを丁寧に描いている作品だと感じた。
______ note______
[Requirements] Steam/ PC: Ryzen7 3700X, GeForce RTX3060
[Playtime]: 10H
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